今回は、自宅に送られてきた荷物を指定の住所に転送するという在宅ワークをかたった詐欺について、紹介したいと思います。
羽鳥慎一のモーニングショーで放送され、国民生活センター等で注意喚起されています。
この詐欺の恐ろしいところは、現金をだまし取られるだけではなく、自分が知らない間に、身分証明書を必要とする契約が結ばれてしまうことです。
冷静に考えれば、騙される人がいるのかと思うようなことでも、在宅ワークをしたいという気持ちが強いと、心の隙間に入り込まれてしまうこともあるので要注意です。
「荷物転送・代行」の在宅ワーク詐欺のからくり
「荷物転送」詐欺バイトの被害に合うまでの流れ
自宅に送られてきた荷物を指定の住所に送るだけで1回3,000円程度がもらえるというアルバイトがあることを知る。
(国民生活センターによるとSNSで「いいバイトがある」と勧誘されたり、投稿を見て知るそうです)
アルバイトをするにあたり、住所、氏名、銀行口座などの個人情報の他に、写真付の証明書が必要と言われて提出する。
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その写真付証明書を使い、インターネット通販で携帯電話(スマホのSIM等)を契約されてしまう。
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届いた荷物は自分名義の携帯であるにも係らず、指定された住所に着払いで送ってしまう。
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携帯の通話代が荷物を転送した数だけ、自分に請求されてしまう。
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請求書が届いた段階ではすでに詐欺グループには連絡が取れなくなってしまう。
どのような被害となるのか
自己名義の契約を解約するために解約金や携帯電話の端末代として1契約につき数万円を支払わなければならないという状況になる場合があります。
また荷物を5回転送すると、それぞれ5つの携帯会社から通話代の請求が来て、結果的に高額請求される事態になってしまいます。
「荷物転送・代行」詐欺にだまされてしまうポイント
テレビでも解説されていましたが、被害者の人が騙されてしまうポイントが2つありました。
- 荷物を転送した時に毎回必ず3,000円が自分の銀行口座に振り込まれた。
- 顔写真付きの身分証明書の提出に関しては、身元をきちんと確認する会社だと解釈してしまった。
冷静になれば怪しいと思うことも、ほんの少しのきっかけで、良い方向に解釈してまうのかもしれません。
「荷物転送・代行」詐欺を見抜くポイント
詐欺を見抜くポイントは案外沢山あります。
- そもそも何故転送するのか分からない
- 何を転送するのか分からない
- 相手の身元が不確か
- 通常はバイトを始めるのに不要な写真付証明書を要求する
簡単な在宅ワークと言われても、スタート前の段階で、ほんの少し用心すれば、だまされなかったのではないかと思います。
何故荷物を転送をしなければならないのか、何を転送するのか分からないのはおかしいと判断できれば、踏みとどまれたはずです。
また写真付証明書を送る前に、自分の身の回りの人に、バイトの事を相談していればいかに危険なアルバイトかということを気づけたかもしれません。
身分証明書は、身元が分からない人に渡さない
在宅ワークと言えば、教材費用や学習費用、サーバー代などを支払わされる詐欺が有名ですが、「荷物転送・代行」の詐欺バイトは、写真付証明書控えを詐欺グループに渡すことで、最初の段階では、その代償がいくらになるか、自分では把握できないところが恐ろしいところです。
テレビではクレジットカードも作れてしまうと、解説者の方が言っていました。
クレジットカードは作れても、カード会社名が記載されている梱包で配達され、自宅で本人確認後の受け渡しとなり、そこで気づけるはずですので、カードが他者に渡る可能性は低いかもしれませんが、確かに作ることは可能ではないかと思います。
(それでも何かだます手口が考え出される可能性はあるかもしれません)
この詐欺の教訓は、『写真付身分証明書は、絶対に身元も分からない人に渡さないと心得よ』ということではないかと思います。
契約されて転送してしまった携帯電話は、振り込め詐欺など、何かしらの犯罪に使われた可能性もあります。
転送荷物も今回は携帯電話でしたが、覚せい剤など、取り返しのつかないものを転送してしまい、犯罪に巻き込まれてしまうかもしれません。注意しましょう。
snsや投稿を見て被害に遭う例でしたが、Web検索して在宅ワークを探す場合も、お金を騙し取るような求人があふれています。
独立行政法人 国民生活センター
千葉県のホームページ
市川市のホームページ
OCNのホームページ
参考記事

